近年、働き方改革やリモートワークの普及により、本業の仕事にかける時間は年々少なくなりつつあります。
こうしてできた余暇時間の一部を使い、生活の安定や生活レベルの向上のために副業を始める人も急増しています。
本記事では、副業としての行政書士の魅力や収入、行政書士になるにはどうすればよいかといった内容を中心に解説をしていきます。
行政書士とは?
行政書士とは、行政手続きを専門とする士業の一つです。主な業務内容としては、下記のようなものが挙げられます。
- 行政へ提出する許可申請や認可申請の書類作成やアドバイス
- 補助金申請などをはじめとする法務観点でのビジネスフォロー
- 契約書作成等の問題発生を防止するための書類作成
例えば、飲食業や宿泊業を始めたいなどといった場合、行政に許可を仰ぐためには規定の書類提出が必要となりますが、その量は非常に膨大で専門的な記載事項が多くなっています。
このような書類の作成を請け負ったり、申請者が作成で悩んでいる中で不明事項があった場合に、プロとしてアドバイスを行うことは行政書士の独占業務となります。
普段よく耳にするような下記の書類作成も行政書士の専門業務となります。
- 各種開業に伴う認可申請書類作成
- IT補助金の申請書類作成
- 決算書や各種契約書の作成
ここまで記載してきたように、法律が絡んでくるような専門的な書類作成を行うのが行政書士です。
副業としての行政書士の魅力は?
行政書士を副業にする魅力は、大きく分けて2つあります。
- 安定した副業収入を得ることができる
- 将来的な独立開業を目指すことができる
安定した副業収入を得ることができる
副業として行政書士の資格を活かす場合、比較的安定した収入を得ることが可能となります。これには、行政書士の業務内容が関係しています。
先述したように、行政書士は行政へ提出が必要となるあらゆる申請書や許可書の代行申請や書類作成などを専門としています。
行政、つまり役所に対して提出が必要となる書類は幅広く、非常に多岐にわたる業種の開業において役所への提出が必要となります。
では、1年間の開業数は一体どれほどあるのでしょうか?
大手のリサーチ会社などによると、ここ数年は年間10万件程度の法人設立がなされているというデータが出ています。
このデータからも、行政書士の需要は非常に大きいということがわかります。
クラウドソーシングサイト等にも、行政書士向けの案件が非常に数多く掲載おり、行政書士として副業を行う場合でも安定して案件を手にすることができます。
将来的な独立開業を目指すことができる
副業において行政書士としての業務を数多く行い、スキルアップを重ねていくと、固定客を獲得することができます。
固定客を獲得するとで、舞い込んでくる仕事量は多くなり、案件単価も高額になっていきます。
このサイクルを作ることができれば、十分に本業として成立させることも可能です。
例えば、会社を退職後に行政書士事務所を開業して、2,000万円を超える年収を手にした人の話を聞いたことがあります。
この方も、最初は会社員としての傍らで、副業として行政書士を行ってサイトや紹介を通して入ってきた案件をこなすという生活を送っていたそうです。
このように、会社を辞めて、より自由度の高い環境を目指して独立開業することも可能であるというのは、行政書士の魅力といえるでしょう。
副業としての行政書士の収入は?
行政書士を副業とする場合、先述したように仕事の需要が大きく、安定した副業収入を得ることを期待できます。
気になる行政書士としての副業収入は、10万円程度/月が相場だと言われています。
副業での収入としては、なかなか魅力的な金額といえるでしょう。
ただ、行政書士を副業とするには一つ注意が必要となります。
行政書士の業務内容は、行政へ提出するような書類の作成や提出がメインとなるので、土日を中心として副業を行う場合、依頼された業務を完遂することが難しいケースが多くあります。
そのため、平日もある程度柔軟に動ける人にしか、長期的に行う副業として向いているとは言えないのです。

安定した副業収入という魅力だけを見て、目指してしまう人も多いので気をつけましょう。
行政書士になるには?
行政書士になるためには、まず国家資格である行政書士試験に合格し、取得をする必要があります。
まずは、行政書士試験について詳しく見てみましょう。
行政書士試験の内容とは?
行政書士試験は、毎年11月の第2週目の日曜日に全国の試験会場で実施されています。
その試験時間は3時間と長丁場であり、出題形式は択一式と記述式の両方となっているため、十分な対策が必要となります。
また、試験範囲は憲法や行政法といった法律に関する分野が中心で、中には政治経済などの知識を問われる問題なども多少出題されます。

記述式問題のほとんどは、30〜50字程度での記載を求められる簡易的な問題です。
年によって多少前後しますが、合格率は10〜15%程度であることが多くなっており、この数字からも決して簡単すぎる試験ではないということがわかります。
しかし、受験資格に年齢制限や学歴等の制限はなく、誰にでも開かれている試験であるため、毎年多くの受験者がその合格を目指して試験にチャレンジしています。
独学で合格するのは難しい?
行政書士の資格取得までには、一般的に600〜800時間程度の勉強が必要になると言われています。
よく、数ある国家資格の中で比較をすると、行政書士は割と簡単に取得が可能な資格だと言われていますが、勉強時間からもわかるように独学で目指すには少しハードルが高いと言わざるを得ません。
特に、こういった法律系の試験に慣れていない人は、資格取得のための専門学校に行くなどの選択肢を取るのが一般的ですが、それには数十万円という高額な授業料が必要となるケースが多く、手を出すのに躊躇してしまいがちです。
しかし、最近では月額数百円から始められるオンラインスクールも充実してきており、多額の費用をかけなくても効率的な資格の取得を目指すことが可能となっています。

オンラインの通信講座などをうまく活用して、時間もお金も節約しながら資格取得を目指すのが最も賢い選択と言えます。
行政書士として業務を開始するには?
行政書士として業務を始めるまでには、下記のようなステップを通過する必要があります。
- 行政書士の資格を取得する
- 行政書士会へ行政書士登録を行う
行政書士登録については、必要な書類等を揃えて提出を行って、承認をもらうだけの作業です。
そのため、実質的には行政書士試験に合格すれば行政書士になることができると言えます。
行政書士を副業にすることを目指すためには、まず行政書士試験に向けて全力を尽くしましょう。
最後に
ここまで、副業としての行政書士の魅力や詳細について解説をしてきました。
行政書士は、資格取得まで多少のハードルがありますが、士業の資格の中では比較的合格を目指しやすい資格です。
また、副業としての行政書士を行う場合、安定した副業収入を得られるだけでなく、将来的に独立開業をして何千万もの年収を目指すこともできます。
将来を見据えた時に、生きて行く上での大きなアドバンテージとなる行政書士は、副業とすることを目指してみる価値のある仕事の1つと言うことができるでしょう。
この記事を読んで、少しでも興味が湧いた人は、ぜひ資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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