誰もがスマホやPCを持っているのが当たり前となった現代において、ITの知識は生きていく上で必要不可欠になりつつあります。
ITパスポートは基礎的な知識が証明出来る国家資格であり、近年、多くの企業や教育機関が取得を推進しています。
また、ITパスポートの合格難易度は、他の国家資格と比較すると低めであることからも、取得を目指す人が多い資格です。
この記事では、過去問だけでITパスポートに合格することが出来るのか?と言う疑問を解消するべく、気になるITパスポート取得までの勉強方法について解説をしていきます。
ITパスポートにおける過去問の特徴
まずはじめに、ITパスポートの試験における過去問の位置づけを確認しておきましょう。
ITパスポートの過去問は、公式サイトでも過去11年分の問題(計22回分の試験)が公開されており、過去問を有効活用することで合格に近づくことができます。
しかし、出題される問題の傾向は数年単位で少しずつ変化しているため、注意が必要となります。
過去の出題傾向
ITパスポートは、2009年に誕生した比較的新しい資格で、資格が誕生して数年の間は、過去問を流用した問題が非常に多く出題される回もあれば、そうでないこともあるというように、出題傾向が読みづらい試験でした。
これは、出題した問題数のストックが溜まっておらず、合格率を調整するために、毎回微調整を繰り返していたのが原因でした。
おかげで、合格率は高い時には70%を超え、低い時は30%台中盤にまで落ち込むというように乱高下を繰り返しており、受験する回による運の要素も大きい試験となってしまっていました。
最近の出題傾向
しかし、ITパスポートの試験方式がCBT方式(PCによる試験)に変更されたあたりから、過去に出題した問題数も多く溜まってきたこともあり、出題傾向がほぼ固まってきました。
それにより、過去数年の合格率は毎回50%程度で安定して推移しています。
このため、
- どこまで知識を定着させると合格できるのか?
- 過去問をはじめとする問題演習をどれくらいやり込めばよいのか?
がある程度わかるようになり、どうすれば最短の勉強時間で合格にたどり着けるのかということも明らかになってきました。
ITパスポートは過去問だけで合格できるのか
資格取得を目指す際に気になるのは、その勉強法です。
ITパスポートは比較的に合格難易度が高くない試験であるため、どんな勉強方法を行っても時間さえかけてしまえば合格することが可能です。
しかし、多くの人は会社や学校に通いながら、この試験への合格を目指しているため、できるだけ時間のロスは減らしたいものです。
では、ここからはどのような勉強法がおすすめなのか、それぞれの方法とメリット・デメリットについて見ていきましょう。
過去問だけで勉強するメリット
はじめに紹介するのは、過去問だけで勉強する方法です。
この勉強方法の最大のメリットは、無駄な費用をかけずにITパスポートの取得ができるということです。
予備校に通ったり、通信講座などを受講すると、数万円〜数十万円の費用がかかるケースもあり、決して安い出費ではなくなることが大半です。
一方、過去問は無料公開されているため、それのみを使った勉強法だと試験の受験料(ITパスポートの受験料:5,700円)だけで資格を取得することが可能ということになります。

ちなみに、同じ情報系資格である『基本情報技術者試験』も受験料はITパスポートと同様の5,700円です。
そして、ITに関する知識が一定量ある場合は、この勉強方法を用いることで短期間で合格することが見込めます。
ある程度事前知識がある場合は、過去問を使用して問題を多く解きながら、苦手分野をつぶしていくだけで、あっという間に合格ラインをクリアしてしまう人が少なくありません。
IT関連の仕事をしている人や、情報系の学校や学部に通っていた人などは、この勉強方法が向いているかもしれません。
過去問だけで勉強するデメリット
一方、過去問だけを用いたITパスポート取得のための勉強方法には、デメリットもあります。
先ほど、ITに関する知識が一定量ある場合には、この勉強方法が効果的だと述べましたが、反対にITに関する知識があまりない場合には、効率があまり良くないやり方と言えます。
事前知識がない状態では、過去問を解いても知識の定着に繋がらず、問題文の理解すらままなりません。
IPネットワークにおけるルータに関する記述のうち,適切なものはどれか。
(出典)ITパスポート平成21年春期 問56
例えば、上記は実際の過去問ですが、IT知識がないと「IPネットワーク」「ルータ」といった用語すら何を指しているかわからないでしょう。
過去問での問題演習は、知識のアウトプットをしたり、苦手分野を探すために行うものなので、全体的によくわからない・知識がない段階で解いても効果的とは言えません。
また、過去問だけでの勉強では、知識の長期定着率が良くないため、本当の意味での知識取得にはならないという見方もできます。
これは何をゴールとするかで変わってきますが、「ITに関する基礎的な知識を身に着けたい」とか「身に着けた知識を業務や就職に活かしたい」といった目的がある場合は、ただ資格を取得してゴールとするだけでは、目的を達成できないということも十分に考えられます。
ITパスポートは参考書だけで合格できるのか
ここからは、参考書のみを使った勉強でITパスポートの合格を目指す勉強法について書いていきます。
参考書は、試験に合格するために必要な知識をわかりやすくまとめているものが多く、ほとんどのものには過去問や練習問題もついており、うまく活用すれば知識ゼロから勉強し始めても、合格を目指すことができます。
参考書だけで勉強するメリット
参考書だけでの勉強法の最大のメリットは、とっつきやすさと基礎知識の定着です。
参考書は、初心者向けにITパスポートの試験においてポイントとなる観点をわかりやすくまとめてくれているものが多く、ITに関する知識がない人でも勉強を進めることができます。
また、ECサイトで「ITパスポート 参考書」というキーワード検索をすると数百件の書籍がヒットします。
それぞれの書籍は、バラエティに富んでおり、イラストや図、色味など様々な工夫が散りばめられており、中にはスマホアプリと連携した用語集が付いているものまでもあります。
自分にあう参考書を選ぶことで、ITに関する知識がない人でも、非常に効率よく基礎知識を身に付けることができ、ITパスポート取得の大きな追い風になります。
参考書だけで勉強するデメリット
一方、参考書のみで勉強を行うやり方には、一定のデメリットも有しています。
例えば、メリットとして知識が定着しやすいことを挙げましたが、試験に合格するためには、それだけでは不十分です。
ITパスポートの試験に合格するためには、参考書を使ってインプットした基礎知識をアウトプットして、どんな形で出題されるのかということを把握して、問題を解くのに慣れることが必要不可欠です。
参考書に付属している練習問題や模擬試験だけでは、アウトプットする(試験問題を解くのに慣れる)回数がどうしても不足しがちになってしまいます。
参考書と過去問の組み合わせで最短合格を目指すべし
ここまで、ITパスポート合格のための勉強について、過去問と参考書を利用したを2つの手法を紹介してきました。
先述したように、どちらのやり方にもデメリットや向き不向きがあり、万人向けの勉強法とは言いづらいというのが正直なところです。
そこで、あらゆる人におすすめできる勉強方法は、それらのハイブリッド、つまり参考書と過去問を組み合わせたやり方です。
なぜ参考書と過去問を組み合わるのが良いのか
繰り返しになってしまいますが、ITパスポートに合格するためには、インプット(知識の定着)とアウトプット(問題を解く)のバランスが重要となってきます。
参考書で基礎知識の定着をはかり、過去問で問題を解くことに慣れ、苦手分野をあぶり出す。そして、参考書で苦手分野の知識定着を行い、再度過去問を解き、、、
というようなサイクルを繰り返すことで、インプットとアウトプットのバランスを保ちながら、効率よく合格に近づくことが可能となります。
つまり、参考書と過去問をバランス良く併用することがITパスポート取得への最短の道なのです。

私も、この勉強法を実践して10日あまりで合格することができました。
過去問については、ITパスポートの公式サイトの他に、Web上の学習サイトやスマートフォンのアプリなども無料で利用することができます。
ただし、無料公開されているものは、解説が簡素な場合も多いため、わかりやすい解説が欲しいという人には、書籍タイプのものあるので、購入を検討しても良いかもしれません。
その他の学習方法
ITパスポートの取得には、参考書と過去問を組み合わせて勉強する方法がおすすめですが、ITに関する知識がなさすぎて、それすら厳しい!という方には通信講座やオンライン講座を活用する方法が良いでしょう。
特に、スマートフォンにてオンラインの動画コンテンツを利用するのがおすすめです。月額500円程度で利用できるサービスも複数存在しているので、経済的な負担も最小限に抑えることができます。
オンラインサービスは年々充実してきており、選択肢も非常に豊富になってきています。一人で勉強することが難しいと感じたら、検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
ここまで、ITパスポートの勉強方法を中心に解説してきました。
短い時間でしっかりと基礎知識を定着させて、合格を勝ち取ることに越したことはないので、自分にあった勉強方法をしっかりと見極めることが重要となってきます。
きちんと対策さえしておけば、ITパスポートの合格を勝ち取ることは難しくありません。しっかりと対策をして、本番に臨みましょう。
コメント
[…] […]