「利回り」は不動産投資における物件探しの際に、最も気にすべき要素です。一般的に目指すべき利回りは、4〜6%と言われています。
しかし、多くの人がこの「利回り」という言葉をきちんと理解できていません。この記事では「利回り」という言葉について、できるだけわかりやすく説明していきます。
そもそも利回りとは?
「利回り」とは、投資したお金が1年でどのくらい返ってくるかを示したものです。計算式で考えると、下記のようになります。
(利回り)=(1年で返ってくるお金)÷(投資したお金)
例えば、1000万円を投資してマンションを購入し、1年あたり100万円の家賃収入を得られることができれば、100万円÷1000万円という計算を行います。よって、利回りは10%であるとなります。
しかし、単に「利回り」と言っても、「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。不動産投資では、この2つの違いがとても重要になってきます。
表面利回りとは?
「SUUMO」や「HOME’S」や不動産会社のウェブサイトで不動産投資のための物件を探すと、「利回り●%」のような表記を目にすることがよくあります。多くの人はそれを見て、お得な物件だ!と思ってしまいますが、それは間違いです。
なぜなら、インターネット上などの物件掲載で見られる「利回り」は、毎月かかる修繕積立金や管理費などのランニングコストを無視した「表面利回り」だからです。
<表面利回りの計算方法>
(表面利回り)=(年間の家賃収入)÷(物件の購入金額)
上記の計算方法を見れば、物件の維持などにかかるお金は無視して考えられていることがわかるかと思います。
実質利回りとは?
「実質利回り」とは、修繕積立金や管理費などのランニングコストを考慮して計算した”本当の利回り”のことです。この物件は本当におトクなのだろうか?と思ったら、実質利回りを計算して見てください。
<実質利回りの計算方法>
(実質利回り)={(年間の家賃収入)-(修繕積立金や管理費などの年間でかかるランニングコスト)}÷(物件の購入金額)
「表面利回り」と「実質利回り」の違いは、単純に修繕積立金や管理費などのランニングコストを考慮するかしないかです。
さて、ここまでで手に入れた知識をもとに、例を用いて考えてみましょう。下記の2つの物件のうち、実際にお得な物件はどちらになるでしょうか?
物件A ・価格が1000万円 ・年間100万円の家賃収入 ・修繕積立金や管理費などの費用が年間30万円
物件Aの利回りは下記となります。
- 表面利回り=100万円÷1000万円=10%
- 実質利回り=(100万円-30万円)÷1000万円=7%
物件B ・価格が1000万円 ・年間90万円の家賃収入 ・修繕積立金や管理費などの費用が年間10万円
物件Bの利回りは下記となります。
- 表面利回り=90万円÷1000万円=9%
- 実質利回り=(90万円-10万円)÷1000万円=8%
「表面利回り」だけを見ると、物件Aの方がお得に見えますが、「実質利回り」を見ると物件Bの方がお得な物件だということになります。
もちろん、物件価格の下落幅なども考慮して考える必要があるので、「実質利回り」が良いから絶対にお得な物件だと断言することはできません。
しかしながら、「実質利回り」は投資対象の物件の良し悪しを判断する重要な鍵となることに違いはありません。まず、この物件良いかも!と思ったら「実質利回り」を計算してみましょう。
まとめ
ここまで、実質利回りと表面利回りの違いについて解説してきました。では、ここまでの振り返りをしておきましょう。
★押さえておくべきポイント★
- 表面利回り(あまり参考にしないほうがよい)
- 修繕積立金や管理費などのランニングコストを無視した利回り
- 一般的に広告などで目にするのは表面利回り
- 実質利回り(本当に気にすべき)
- 修繕積立金や管理費などのランニングコストを考慮した利回り
- 本当に目指すべきは実質利回り4〜6%
これで「利回り」についてはバッチリです。さっそく不動産会社に物件を紹介してもらって、良い利回りの物件を探しましょう。
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